日 時 | 2019年2月10日(日) 13:30〜15:15 |
内 容 | 第31回野鳥サロンを平成31年2月10日(日)午後1時30分から3時15分、水の館3F研修室において開催しました。 今回のテーマは、「鳥と地域の環境との“結びつき”を探る〜イソヒヨドリの食性分析から〜」というもので、発表者は当会会員の岩本二郎さんにお願いしました。 前半は、イソヒヨドリの名前の謂れから世界の分布域、生態・習性・生息環境など、イソヒヨドリとはどんな鳥を分かり易く説明されました。日本での生息環境は、元々は岩礁海岸でしたが、近年内陸進出が進み、我孫子市でも19年前からイソヒヨドリが観察され最近は繁殖が確認されています。我孫子市では当会の記録などからイソヒヨドリの侵入時期が特定できるため、貴重な材料になっているとのことでした。 内陸進出の要因については、私たちの社会・生活の変化を振り返り、時代の変化に伴い内陸市街地の人工物利用が進んだと考察されています。また、イソヒヨドリは雌雄が外見から容易に識別できるため、雌雄の繁殖行動が定着にどう関係しているのかを調べることができ、今後、進出の際に雌雄の果たす役割がより明らかになると期待されます。 後半では、我孫子市の市街地で繁殖するイソヒヨドリが雛に与えた餌の2年間の記録について、食性分析の結果から考察されることを話されました。 イソヒヨドリは雑食性で様々な餌を雛に与えており、餌が市街地のどこから取ってきたものかを調べると、我孫子が繁殖地に選ばれる地域性も浮かび上がりました。1年目と2年目の違い、特に2年目はムカデが最も多いことなど、大変興味深いお話しでした。 また、イソヒヨドリが営巣した民家の住民や市民から理解を得られたのは、まさに“鳥の町”我孫子市ならではで、2年間の調査に際しての我孫子市の地域住民との触れ合いや活動など、岩本さんの人となりが感じられる発表でもありました。 1時間30分の発表はその時間を感じさせず、質疑でも手を上げる方が続き、ユニークな指摘も登場するなど、大変楽しく充実したサロンとなりました。 発表された岩本さんに感謝申し上げます 報告 桑森亮 |
参 加 者 | 21名 |
撮影:桑森亮
撮影:桑森亮