日  時2018年1月21日
内  容午前8時に我孫子駅北口に集合し、車4台に分乗し印旛沼に向け出発。途中濃霧がひどく、印旛沼の吉高揚排水機場近くで霧は薄くなる。午前9時頃、吉高揚排水機場近くの沼岸の船着場の船上にいるモモイロペリカン(本来インドシナ、インド、黒海、カスピ海、アフリカに生息)のカンタ君が見える。二十数年前篭脱けし、漁師さんより魚を貰っているので全く人を怖がらずポーズをとる。皆で撮影する。その後、堤防上のサイクリングロードより沼にいる水鳥を観察する。1/19昼頃の下見の時、岸近くに相当多く見られたヨシガモが見当たらない。スコープで対岸を探すと、葦近くの水辺に群れ休んでいるようだ。暫く見ていると少しずつ動き出し、沖から我々のいる岸の方へ動きやっと近くで見えるようになる。ヨシガモはシベリアから北海道で繁殖し、中国、朝鮮、日本で越冬するが、関西に多く、関東以北には少ない。名前は容姿(ヨシ)が良い(ガモ)ことから来ているが、♂は頭が扁平で褐色がかった赤紫色、目の後方は暗緑色で後頭の羽毛が伸びてナポレオンの帽子のように見える。光が当たり金属光沢の緑が見える時は特に綺麗である。広い大きな池で見ることが多く少し内気な性格と思われる。他の多くのカモ類、カイツブリ類、サギ類、カモメ類、カワウ、トビ、ミサゴ等を見ていると、岸の葦の間から水辺の水草の上にヒクイナのお出まし。堤防の上から観察していたので見やすく、皆さん盛んにシャッターを押していた。9:50頃甚兵衛公園に車で移動する。ところが甚兵衛公園から行ける印旛沼の堤防は、下を流れる川の整備で重機が入った工事中で、また甚兵衛の渡しの沼側には水鳥がほとんどいなく、堤防の木にノスリ、田にタヒバリ、スズメがいる程度である。ここでは多くの鳥は見えないので、この近くにある房総のむらの坂田ヶ池総合公園に車で移動する。坂田ヶ池にはカモ類のマガモ、カルガモが多く他にホシハジロ、コガモ、ハシビロガモ、オオバン、ミコアイサも見られた。丘ではシロハラ、ヤマガラ、ジョウビタキ、ツグミ、コゲラ等を観察した。11:50頃甚兵衛公園に戻り持参の弁当、または台方ラーメン店で昼食を摂る。12:25頃ここを出発し、別所の谷津田公園に向かう。12:50頃牧の原地域交流センターの駐車場に車を止め、公園の調整池の上池で水鳥の観察を始める。ここではお目当てのオシドリが20~30羽、木の茂る薄暗い岸に休んでいる姿が見えた。♂の三列風切は変形して大きく鮮やかな橙色の銀杏形の羽となり、銀杏羽は翼を閉じたときには反り返って背から突き出し目立つ。他に池にはホシハジロ、マガモ、カルガモ等が休んだり泳いだりしていた。暫く見ていると、オシドリの休憩時間が終わったのか木の茂る水辺より池の中を泳ぎ出した。オシドリはシベリアから日本で繁殖し、朝鮮、中国、日本で越冬する。平地から1,500mの山地に生息し、夏は山地に多い。名前は♂♀仲良く相愛(オシ)からオシドリと名付けられた。ほとんど越冬地もしくは繁殖地に向かう春の渡りの時、番(つがい)ができる。秋にはドングリを食物とするが、草の実も食べ、春には昆虫、小魚等を捕える。高さ4~10m樹洞の底に営巣するが、雛は早熟性で、孵化後間もなく樹洞より飛降り♀に連れられ水辺を移動するという。山形県、鳥取県、長崎県の鳥でもある。皆で水面を見ていると、オシドリの対岸の木に覆われた水辺になんとトモエガモがいるではないか。名前の由来は顔に黄色と緑色の巴模様からきているが、シベリア、カムチャツカ半島で繁殖し、朝鮮、日本、中国に渡る。日本海側に多く太平洋側には少なく1~2羽コガモの群れに混じることが多い。今年は手賀沼でも群れが観察されている。絶滅危惧種である。なかなか動いてくれなかったので、池の遊歩道を通り、下池に回るが殆ど水鳥はいなかった。また以前は遊歩道の両側に林があったので、シメ、シロハラ、アカハラ、アカゲラ、アオジ等の多くの種類が見られたが、今回は池側の片側の林しかないためコゲラ、メジロ、カワラヒワ、シジュウカラ等を見るのみであった。この調整池を源流とする古新田川周辺の休耕田の葦原では葦、柳に止まるホオジロ、カシラダカ等が見られたが、昼過ぎの午後のためか鳥の数は少なかった。それでも上空をハイタカ属が1羽上空を滑空し、上昇するのを観察出来た。15:00頃地域交流センターのロビーにて鳥合わせをし、現地で解散し、各車で帰路についた。

報告 鈴木静治

認めた鳥オシドリ、オカヨシガモ、ヨシガモ、マガモ、カルガモ、ハシビロガモ、トモエガモ、コガモ、キンクロハジロ、スズガモ、ミコアイサ、カイツブリ、カンムリカイツブリ、キジバト、カワウ、モモイロペリカン、アオサギ、ダイサギ、コサギ、ヒクイナ、バン、オオバン、タゲリ、ユリカモメ、セグロカモメ、ミサゴ、トビ、ハイタカ属、ノスリ、カワセミ、コゲラ、モズ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、ムクドリ、シロハラ、ツグミ、ジョウビタキ、スズメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、カワラヒワ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、オオジュリン 計52種
参 加 者計16名

印旛沼吉高探鳥

印旛沼吉高探鳥

撮影: 間野吉幸



ヒクイナ

ヒクイナ印西市吉高

撮影: 間野吉幸



ヒクイナ

ヒクイナ印西市吉高

撮影: 間野吉幸



坂田ヶ池探鳥

坂田ヶ池探鳥

撮影: 間野吉幸



オシドリとマガモ

オシドリとマガモ別所谷津田公園

撮影: 間野吉幸