日 時 | 2017年6月12〜16日 |
内 容 | 今回の道東探鳥会は、昨年11月の役員会議で、数年続いた海外探鳥会に代わり平成29年度の上期行事に当会の公式行事として初めて計画されたツアー探鳥会です。 会報正月号に案内記事が掲載され、実質的な募集が始まり、幹事4名は航空券手配、予算案作成、探鳥ルート・日程、バス及び宿泊先の選定など準備が多岐にわたり、一気に盛り上がりました。 幾つかの変更点もクリアーし、2回の説明会を経て、6月12日出発の日を迎えました。 参加者は、総勢21名、(男性14名、女性7名)、平均年齢70超(?)のベテランが殆どの面々です。 行程は、本来なら5泊分の内容を4泊に組み込む短縮した少し欲張りというかハードな日程になりました。 その内容の特徴は、2時間半乗船の落石クルーズを加えたこと、最終日(16日)を有効にするため帰路の空便を夕方にしたこと、年齢的配慮により使用バスを中型から大型に変えたこと、毎朝4時からの“朝探”を最終日以外は自由参加にしたことなどが挙げられます。 それでも、一日の延べ移動距離は最短で91km、最長246kmで、合計783kmとなり観察場所は、主なもので22カ所(一カ所当たり観察時間は1時間〜3時間)に至るタイトな全行程になりました。(予定行程から、先を急ぐためポー川史跡公園だけは外しました。) バスの運行は、渋滞も無く、概ね1km1分計算で済みましたし、何よりも各人2座席占有のゆったり感が、昼食をコンビニ調達での車中食を可能にしてくれ、飲食がすすむ程でした。 天候にも恵まれ、ワッカ原生花園で小雨になったくらいで快晴とは言えないけれど探鳥には問題なしの日々でした。 探鳥成果は、他に譲ることにし、今後の参考になる事柄として特に挙げたいのは、風連湖(春国岱)の荒廃が酷く、木道の修復も中途半端で鳥影が少なかったこと、初体験の落石クルーズは航路上左舷側が観察機会が多いことが分かったことに加え、湾から外洋に出ると途端に波、うねりが続き、寒さに波しぶきが加わるので防寒防水をしっかり準備すること、水温は5℃程度なのでもし落ちたら5分と命がもたないこと、羅臼のシマフクロウは代替わりしていてまだ若いペアーのため、出現時刻が定まっていないため、我々は、夕食後途切れがちな緊張と眠気と闘いながら結局6時間半も待機せざるを得なかったこと、知床峠では麓は晴れでしたが峠に近づくにつれ霧が濃くなり、強めの寒風とガスの流れる中、やっとの思いでギンザンマシコに会えたのは強運な数人に限られてしまったこと、朝4時出発という唯一の全員参加“朝探”ポイントは、シブノツナイ湖は大型バス乗り入れが途中でかつ散策路も途絶え進路不良で断念したことなどなどです。 期待と失望、気力と疲労などが交差し、年齢なりの寛容と忍耐が物言う5日間であり、延べ75種の野鳥たちとエゾシカ、キタキツネ、アザラシ、ラッコ、(私は会えなかったけれど)ヒグマという北の動物たちとの出会いの旅でした。 (報告) 松本勝英 |
認めた鳥 | オオハクチョウ、ヨシガモ、ヒドリガモ、マガモ、オナガガモ、キンクロハジロ、スズガモ、シノリガモ、ウミアイサ、キジバト、アオバト、ウミウ、ヒメウ、アオサギ、ダイサギ、タンチョウ、カッコウ、ツツドリ、アマツバメ、オオジシギ、オオセグロカモメ、ウミネコ、ケイマフリ、ウトウ、エトピリカ、トビ、オジロワシ、ノスリ、シマフクロウ、コゲラ、アカゲラ、モズ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ハシブトガラ、ヤマガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ヒバリ、ツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、ヤブサメ、エナガ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、マキノセンニュウ、シマセンニュウ、エゾセンニュウ、コヨシキリ、ゴジュウカラ、ミソサザイ、ムクドリ、カワガラス、コマドリ、ノゴマ、ルリビタキ、ノビタキ、サメビタキ、キビタキ、オオルリ、ニュウナイスズメ、スズメ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ビンズイ、カワラヒワ、ベニマシコ、ギンザンマシコ、ウソ、ホオアカ、アオジ、オオジュリン 計75種 |
参 加 者 | 計21名 |
タンチョウ
釧路空港からバスで移動を始めると突然に草原にいるタンチョウのディスプレイに遭遇しました。バスの中からあわててコンデジで撮影しました。2017/6/12 釧路市 / 撮影・桑森 亮
霧多布岬
先ずは最初の探鳥地の霧多布岬で草原や海の鳥を探します。岬までの林の中では多くの小鳥の姿に加え、コマドリなどの声も聞こえました。2017/6/12 霧多布岬 / 撮影・桑森 亮
琵琶瀬展望台
移動途中の琵琶瀬展望台では美しいウソのペア―に出会いました。2017/6/12 琵琶瀬展望台 / 撮影・間野吉幸
霧多布湿原
宿の周辺の霧多布湿原での早朝探鳥です。コヨシキリ、センニュウ類、オオジシギ、ノゴマなどに出いました。2017/6/13 霧多布湿原 / 撮影・間野吉幸
霧多布湿原
榊小学校付近の湿原を歩きました。ここではオオハクチョウ、ノビタキなどに出会いました。近くの広場では昆布干しの最中でした。2017/6/13 霧多布湿原 / 撮影・間野吉幸
落石岬
落石岬では多数のオジロワシが崖の上昇気流に乗って飛びう姿が間近に観察できました。カメラの人は岬の草原からワシを狙います。2017/6/13 落石岬 / 撮影・古出洋子
春国岱
春国岱の木道の手摺り上にオジロワシが止り、下にはキタキツネが歩いていました。木道は残念ながら高潮被害で途中で行き止まりになっていました。2017/6/13 春国岱 / 撮影・間野吉幸
ベニマシコ
風連湖周辺での朝探では真っ赤なベニマシコ、コヨシキリ、エゾセンニュウの囀り、オオジシギなどが観察できました。2017/6/14 風連湖 / 撮影・小澤淳宏
落石クルーズ
落石クルーズでエトピリカ、ケイマフリ、ウトウなどの海鳥ウォッチングを楽しみました。女性陣も乗船前に完全武装です。2017/6/14 落石漁港 / 撮影・間野吉幸
シマフクロウ
羅臼町の「ワシの宿」では、渓流に魚を捕りにくるシマフクロウを狙いました。深夜の12時過ぎに漸く♂♀で現われました。2017/6/14 羅臼町 / 撮影・小澤淳宏
知床峠
知床峠ではギンザンマシコを探しました。幸運にもハイマツの上を動く♂♀を見つけることができました。2017/6/15 知床峠 / 撮影・間野吉幸
小清水原生花園
小清水原生花園では、ノビタキ、ベニマシコ、ノゴマなど、草原性の鳥が間近に観察できました。2017/6/15 小清水原生花園 / 撮影・間野吉幸
ノビタキ♀
小清水原生花園でノビタキ♀が虫を咥えていました。子育ての最中なのでしょう。2017/6/15 小清水原生花園 / 撮影・小澤淳宏
ノゴマ
ワッカ原生花園では霧雨になりましたが、センニュウ類などが見られ、ノゴマがシシウドの上で囀っていました。2017/6/15 ワッカ原生花園 / 撮影・小澤淳宏
美幌峠からの屈斜路湖
最終日、サロマ湖から屈斜路湖へ移動する美幌峠からの風景です。2017/6/16 美幌峠 / 撮影・間野吉幸
和琴半島
屈斜路湖の和琴半島で探鳥です。アカゲラ、ハシブトガラ、ゴジュウカラ、センダイムシク、アオジなど、森林性の鳥が観察できました。2017/6/16 和琴半島 / 撮影・桑森 亮
記念撮影
最後の探鳥先の和琴半島で21名全員での記念撮影です。楽しい5日間の探鳥会も終了です。2017/6/16 和琴半島 / 撮影・桑森 亮