2010/10/23の定点バードウオッチングで話題になった黄足の大型カモメについて日本野鳥の会千葉県支部長志村英雄さんより詳細な分析・識別 の情報提供を受けましたので、感謝をこめてここに紹介します。

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志村さんのコメント(2010/10/30)

最新のカモメ類の分類は、Olsen and Larssonの「Gulls of North America, Europe and Asia」などに従うのが一般的です。 同書の学名はLarus heuglini‘taimyrensis’ですから、和名は「所謂ホイグリンカモメ」でもいいのですが、このグループは、Larus heugliniLarus vegaeとの交雑個体群であるという説に傾きつつあります。
私は「ホイグリンカモメ」はLarus heuglini heugliniのみを指すべきだと考えます。どうしても和名で呼ぶなら「タイミルカモメ」、「タイミルセグロカモメ」とした方がいいのでしょうが、新たな和名を使えば、さらに一般の混乱を招くだけで、それも好みません。因みに、野鳥の会の「フィールドガイド」の新版では、古い分類に従って「ニシセグロカモメLarus fuscus」としています。解説者の不勉強です。
「所謂ホイグリンカモメ」という所以です。学名で呼べばいいのではないかと思っています。

ps。この時期‘taimyrensis’は多数通過しています。昨日も、九十九里、銚子で多数個体を見ました。

志村英雄